野生の猿は触ってはいけないってご存知ですか?
襲われる危険があること以外に、猿が病気をもっていた場合、人間に感染してしまう危険性があるからです。
猿に関する主な感染症として、Bウイルス感染症,結核,細菌性赤痢,アメーバ赤痢などがあります。
Bウイルス感染症は,猿に噛まれたときに唾液の中のウイルスが傷口から入って感染します。
この病気はアメリカだけで発生していて,日本を含むそのほかの国での発生は見られません。
また,結核,細菌性赤痢は人が本来の自然宿主で,猿が捕獲されたときや動物園などで人から感染してしまいます。
野生の猿は、このように細菌やウイルスをもっている可能性があるんです。
ここで詳しく説明していきたいと思います。
野生の猿から病気をもらう?
野生の猿は、人間とは異なる生活圏内で生きているため、直接、人間に感染症をうつす機会はめったにないと思われがちですが、猿をはじめ、タヌキやいのしし、鳥類など、人間と近い距離で生きている野生動物はたくさんいます。
野生の猿などは、どのような病原体をもっているのか不明な点が多く、人間にとって重篤な感染症の病原体をもっている可能性があるんです。
動物由来感染症に感染しても、風邪やインフルエンザ、皮膚病などに似た症状が多く、病気の発見が遅れるケースが目立ちます。
特に、小さな子どもや高齢者は、一度発病すると重症化しやすいので注意が必要です。
医療機関を受診する際は、動物の接触状況について、しっかりと医師に説明しましょう。
1932年にアカゲザルに噛まれて、ウイルス性の病気に罹患し、肺炎症状をおこし、なくなった方がいます。
原因ウイルスは、ニホンザルを含むアジア産のマカカ属猿が自然宿主として保有しているヘルペスウイルスで、感染した猿は、健康のまま一生涯ウイルスを保有し、抵抗力が落ちたときに、だ液中などにウイルスを排出するそうです。
野生の猿は思った以上に危険なんです。
まとめ
猿に噛まれたり、引っかかれたり、だ液、涙、そのほか、体液が人間の傷口や目、粘膜に触れたら要注意です。
傷口の場合は、その部分を石けんや消毒液で15分以上よく洗うようにしましょう。
目や粘膜は、流水でよく洗います。
さらにうがいをするといいでしょう。
もし傷が既にある場合は、絆創膏などであらかじめ守っておくといいかもしれません。
猿に噛まれた場合など、新しい傷ができたら、必ず病院を受診してくださいね。