霊長類最大の動物であるゴリラ。
現在は絶滅危惧種に指定されており、その希少性から、動物園では1頭から数頭という少ない数で飼育されていることがほとんどですが、本来ゴリラは、群れを作って集団で生活する動物なのです。
では、ゴリラは一体どんな群れを作るのでしょうか。
また、その数や規模はどれくらいになるのでしょうか。
野生のゴリラの例を挙げて、解説していきたいと思います。
1つの群れにいるゴリラの数は?
野生のゴリラの群れは、1頭のオスと数頭のメス、そしてその子どもたちという構成で成り立っています。
群れを構成するゴリラの数は、最少で2頭、平均10頭前後、最大で40頭ほどにもなると言われています。
群れは集団で移動しながら生活します。
時々、他のゴリラの群れと生息域が重なることがありますが、群れをめぐって争うことはなく、お互いに移動することにより争いを回避します。
一部のゴリラを除いて、子どもたちは大きくなると群れから離れ、新しい群れを作るために移動します。
このとき、オスは単独で行動し、他の群れをそのまま乗っ取ったり、他の群れのメスを連れ出したりして新しい群れを形成します。
メスの場合は、他の群れに吸収されることが多いようです。
群れのリーダーであるオスは、シルバーバックと呼ばれます。
これは、長生きし成熟したゴリラの背中に、白銀色の毛が生えることからつけられた名前です。
シルバーバックとなったゴリラは、群れのゴリラたちをまとめ、生活に関わるさまざまなことを取り仕切ります。
シルバーバックはリーダーシップを発揮し、群れを守ることにより、群れから認められていくのです。
事故や寿命などによりシルバーバックがいなくなってしまうと、群れのメスたちは離散し、それぞれ新しい群れを目指して移動します。
ゴリラの群れは、世代交代などで継承されることはほぼなく、たった一代限りでその役割を終えます。
まとめ
ゴリラの群れの規模と、そのしくみについて解説しました。
シルバーバックというリーダーを中心にして、平和的に集うゴリラの群れからは、高い社会性とすぐれた知能がうかがえます。
野生のゴリラを見る機会はほとんどないと思いますが、動物園などで、群れの最小単位であるゴリラの家族を見ることができたら、ぜひじっくり観察してみてください。