マンタは、生まれた時から横幅が約1mを超え、成長すると約6mにもなるといわれています。
また、一般的に知られている最大の個体では、横幅が8mにもなるという記録もあるほどです。
こんなに大きな体を持つマンタを襲う生き物はいるのでしょうか。
マンタは、戦うための「武器」は持っていないといわれ、もしも襲われでもしたら、どの様に身をかわすのでしょうか。
マンタの天敵について調べます。
マンタと天敵は?
マンタについて(生態など)
- マンタは単独で行動するそうですが、外海を回遊する種類と、サンゴ礁などを回遊する種類の2種類がいるそうです。どちらも、お互いに行き来せず、遠くに行かず、決まった周辺に生息しているということです。
- マンタの餌はプランクトンやオキアミといわれ、その捕りこみ方は、大きな口をあけて一気に海水と一緒に飲み込み、鰓から海水だけを外に出す「こし捕り方法」だそうです。
- 目の両側にある「頭鰭」は、餌を口の中に誘い込みやすく(捕り込みやすく)する役目を果たしている様です。
- 生まれてから10年ほどをかけて大人に成長する様ですが、寿命は20年以上ともいわれ、まだまだ謎が多い生き物だそうです。
- マンタは、子どもを1~2枚(マンタの数え方)しか生まず、妊娠期間も1年余りと長いので、数が増えるには、長い時間がかかるといわれています。
- マンタは、腹側が白く、斑紋が入り、背側は黒いのが一般的ですが、全体が黒く、斑紋が白い個体がいる様で、この個体をダイバーは「ブラックマンタ」と呼んでいるそうです。
- 「マンタは飛ぶ」といわれている様ですが、それは、魚が跳ねる様に海面から姿を現し、2mほどの距離を鳥の様に鰭をひらひらと動かしながら飛ぶ姿が見られたことに由来する様です。この行動の意味は、実際のところは解明されていない様ですが、①水に潜る時の衝撃で寄生虫を落としているのではないか、②仲間とコミュニケーションを取る手段なのではないか、③求愛行動ではないか、④遊んでいるのではないか など、様々に考えられている様です。
- マンタは、体が大きい分、脳も大きいといわれています。過去に、ダイバーに助けを求める行動をとったことから、その様に考えられている様です。
- マンタの性格は穏やかで、おっとりとして、好奇心が強く、人懐っこいといわれていますが、不意な刺激には素早く逃げてしまうので、臆病とも考えられています。
- マンタは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストの中にあり、絶滅の危険が高い「危惧種」に含まれているとのことですから、世界的に保護しなければならない対象となっているそうです。
マンタの天敵は?
マンタには、天敵はいない様に思われていますが、シャチに襲われてヒレを噛み切られた個体が確認されているそうです。
ほかに、ホホジロザメやイタチザメなどが天敵として挙げられる様ですが、マンタの方から手を出さない限り、サメの方からは襲ってこないと考えられている様です。
マンタの本当の天敵!
マンタは、その大きさと行動性から、とても目につきやすく、特に人間には、ただ大きい(その当時の最大)というだけで捕獲され、見世物になり、命を奪われたことがあった様です。
現在、マンタは、「食用」、「商業用」、「漢方」などとして重宝がられ、主に南方で数多くが捕獲されているといわれています。
このことからも分かる通り、偶然によって命を奪われるのではなく、当然の様に命を奪われている現状を見ると、「真(シン)の天敵は、人間」ということになりそうです。
まとめ
マンタの生態について興味深かったのは、餌の捕り方でした。
海水ごと口に流し込み、餌となるプランクトンやオキアミだけをこしとって、海水は鰓から吐き出すなど、一部のサメやクジラと同じ食べ方をすることが分かりました。
マンタの真の天敵は海の中ではなく、どうやら陸地の生き物である「人間」の様でした。
「人間がマンタの命を奪い、人間がマンタの命を守る」、この矛盾に大変複雑な思いになりました。