羊は最古の家畜と言われ、その歴史は1万年にものぼるものと考えられています。

太古の昔から、肉は食用として、毛皮は防寒具として、羊毛は衣類等として、人類は羊を利用し、羊と密接な関係をもってきました。

また、羊は「捨てるところがない」ほど役立つ動物だと言われています。

さきに挙げた肉・毛皮・羊毛以外にも様々な用途があります。

たとえば、皮や胃袋は水入れとして先人たちに利用されていましたし、脳すらも煮込み料理の材料になりました。

また、地域によっては羊の目玉を珍しい料理として大切な客人を、もてなすこともあります。

羊はまさしく、骨以外は捨てるところのない動物なのです。

そして、忘れてはならないのが腸です。

ソーセージのことを「腸詰め」と呼びますが、これは牛や豚・羊の腸を利用することから呼ばれるものです。

特に羊の腸は30メートルと長いため、腸詰めをたくさん作るのに適しているのです。

さらに、腸詰めとして以外にも羊の腸には用途があります。

それは、「楽器の弦」です。

羊 腸 弦

楽器の弦としても使われる羊の腸!

ギターの種類に「ガットギター」というものがあります。

この「ガット」という言葉は、実は「腸」という意味なのです。

ガットギターの「ガット」弦は、本来羊の腸から作られていたのです。

羊の腸を使った弦は羊腸弦と呼ばれ、ヴァイオリンやリュート、ハープなどにも使われていました。

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その特徴は、やわらかくまろやかで、優しい音を奏でます。

その音の陰影や発音の自然さなどから、世界に多くのファンを持っています。

ちなみに、テニスの弦を「ガット」と呼ぶのも、もとは羊の腸の筋を使っていたことに由来します。

まとめ

日本では、鯨が「捨てるところのない動物」として挙げられますが、調べてみると、羊も負けず劣らず「捨てるところのない」動物で、有用性にたいへん優れた生きものでした。

羊が古くから、人類との結びつきの強い生きものであることはよく知られていますが、まさか楽器としてまで人類に貢献してくれていたとは思いませんでした。

本当に驚きました。

日本の鯨と欧米の羊。

どちらも人類の歴史に多大な貢献をしてくれた、ありがたい動物たちですね。

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