群れで生きるニホンザルですが、様々な研究によって、猿の群れにも、順位や役割が決まっていて、人間社会と似ているしくみがあることもわかってきました。
猿の仲間の多くは、熱帯地方に生息していますが、中でもニホンザルは、最北端に生息している種類です。
南は九州、北は青森県にまで生息し、山の中に群れをつくって生活しています。
そんな集団の群れの中で、ボスは存在するのでしょうか。
詳しく説明していきたいと思います。
野生の猿にボスはいる?
動物園などで観察すると、ニホンザルは、ボス猿が群れを統率し、リーダー制、順位制があると一般的にはいわれています。
しかし、野生のニホンザルは、ボス猿の存在はなかったという説が出てきました。
広い自然界では、同じ食べ物を巡って猿同士が争う必要がないからだということです。
そもそもボス猿の存在というのは、動物園内などで飼育されていて、餌付けによって同じ食べ物を狭い場所で争って食べるという状況を作っているから生まれたといわれているからです。
競争の中では、強い猿が勝ってしまうという、人間の社会にも似ているところがありますね。
まとめ
動物園にいる猿の群れに注目してみると、ところどころに大きなオス猿がいます。
これが、ボス猿です。
ボスは、やはりとても強く、自分の好きなように座って、餌を好きなだけ食べることができます。
群れでは、餌をとる順番もちゃんと決まっています。
最初は、もちろんボス。次に、成長したオス猿。
その次は、若いオス猿という順番です。
メス猿と子猿は、ボスの近くにいて、ボス猿と一緒に食べることができるそうです。
ボスが、近づいていくと、ほかの猿は、食べかけていた餌を捨ててまで、すぐに逃げてしまいます。
また、ボスがいなくなると、周りのオス猿たちが餌をとりにやってきます。
このような順位のある猿の世界は、飼育下にある猿たちだけだったということです。
野生の猿は、広い自然界で、仲間意識をもって生活しているんですね。